2013年01月09日

参院選、野党共倒れの恐れ

 今夏の参院選で、自民、公明両党は参院での過半数獲得を目指し、野党各党は「自公過半数割れ」を目標に掲げる。カギをにぎりそうなのが、改選数1の「1人区」での野党共闘の成否だ。だが、野党間の政策の違いは大きく共闘が進むかは不透明。一方、自公両党は共倒れを防ぐため、候補者調整を進めている。【田中成之、福岡静哉】

 「1人区で自民党の圧勝を避ける工夫が必要になる。政策の一致を前提にすみ分けをどうやるかだ」。みんなの党の渡辺喜美代表は8日の党役員会で野党共闘の必要性を指摘した。民主党の細野豪志幹事長も7日の記者会見で、幹事長会談で共闘に向け協議したい意向を表明。連携相手として「まずは日本維新の会」と名指しした。

 1人区は二つ増え31選挙区。野党が乱立すれば、政権批判票が分散し自公両党に有利になる。先の衆院選では、自民、民主両党と第三極の「三つどもえ」となった204小選挙区のうち168で自民候補が勝った。このうち109で民主候補と第三極候補の合計得票数が自民候補を上回っており、共倒れは鮮明だ。

 維新とみんなは共闘に前向きだが、両党は連合が支援する民主との協力には慎重だ。維新の松井一郎幹事長は8日、大阪府庁で記者団に、「我々は公務員改革、教育改革が中心的課題。人も金もそこ(公務員労組)がバックアップする政党が覚悟して(維新と)一緒にやれるのか」と共闘に否定的な見方を示した。

 一方、生活の党の小沢一郎氏は1日の新年会で、「1人に絞らないとダメだ」と共闘の重要性を力説。小沢氏は民主党代表だった07年参院選で野党協力を進め、七つの1人区で公認を立てず無所属を推薦したり国民新党に譲ったりした。ただ、民主党の旧主流派は「連携はあり得ない」と反発する。野党間の溝は深く、共闘は容易ではなさそうだ。

 ◇自公、過半数目標で合意 比例でも調整本格化へ

 自民、公明両党は8日、東京都内で幹事長・選対委員長が会談。参院選では非改選も合わせ与党で過半数の獲得を目指し、選挙協力を進めることで合意した。公明党は、愛知選挙区(改選数3)で予定していた候補者の擁立を取りやめ、選挙区は埼玉、東京、神奈川、大阪の四つに絞り、比例での議席上積みに全力を挙げる方針も自民党に伝えた。

 終了後、自民党の石破茂幹事長は記者団に「公明党が候補を立てる選挙区、立てない選挙区でどのような協力がお願いできるか。比例では競合する形になるが何ができるか。率直な意見交換をしなければならない」と語っており、今後、両党間の調整が本格化する。

 与党の参院勢力は改選が44議席、非改選が58議席。今回の参院選で自民、公明両党が20上積みし64議席を獲得すれば、与党は過半数の122議席に達する。カギを握るのは、こちらも「1人区」だ。

 自民党は07年参院選1人区で「6勝23敗」。しかし、昨年末の衆院選では、23県中18県が民主党の小選挙区当選者のいない「民主空白県」になっており、細田博之幹事長代行は「1人区は21~22選挙区で勝ちたい」とそろばんをはじく。

 07年参院選の大敗で改選を迎える現職が少ないため、現時点の自民党公認候補は選挙区(改選数73)が24人、比例(同48)が16人にとどまる。今回から31に増える1人区での公認は13人と6割近くが空白区で、石破氏は月内に候補者選定のめどをつけたいとしている。



Posted by ビッグバン at 10:13│Comments(0)
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