2013年01月27日

被災者の口腔ケア支援 移動式診療装置を福祉団体など寄贈

 東日本大震災の被災地支援のため、オーストリアの社会福祉団体「フォルクスヒルフェ」とサンスター財団(大阪府高槻市)が、宮城県歯科医師会に移動式の歯科診療装置を贈った。震災を機に、病気の予防にもつながる口腔(こうくう)ケアの重要性が高まっており、歯科医師会は「災害時や高齢者の訪問診療に生かしたい」と支援に感謝している。
 診療装置はスーツケースのような形状で幅38センチ、高さ57センチ、奥行き25センチ。治療用のドリルや唾液の吸引器具などが入っており、移動先で虫歯の治療や入れ歯の調整などができる。
 19日に仙台市青葉区の県歯科医師会館で、フォルクスヒルフェのジョセフ・バイデンホルツァー理事長ら約20人が出席し、装置の贈呈式があった。サンスター財団の本田孔士理事長は「仮設住宅に住む高齢者の訪問診療や介護施設でも役立ててほしい」と述べた。
 財団は震災後、フォルクスヒルフェから約630万円の寄託を受け、歯科分野の各装置を購入した。2011年11月に岩手県大槌町の仮設歯科診療所に移動式診療装置を寄贈し、今月21日には相馬市歯科医師会に移動式X線装置を贈った。
 震災時、避難した被災者は歯磨きできない状態が続き、口内に繁殖した細菌が肺に入り、肺炎を引き起こす人もいたという。高齢者は命の危険を招くケースも多く、口の中を清潔に保つ口腔ケアの重要性が指摘された。
 歯科医師会の細谷仁憲会長は「口腔ケアは病気予防や震災関連死の抑制にもつながる。贈られた装置を災害時の被災者向けに使い、普段は訪問診療をする歯科医に貸すなどして活用したい」と話している。



Posted by ビッグバン at 05:45│Comments(0)
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