2013年04月25日

「教師」延長戦 定年退職を機に再び山下中へ

 東京都教委からの応援派遣で、東日本大震災直後の10カ月間、宮城県山元町の山下中(生徒276人)で教壇に立った今野庸(よう)さん(60)が、新年度から生徒指導支援員として同校に戻った。離任後も被災地で出会った生徒たちが忘れられず、定年退職を機に決断した。

 今野さんは2年生の理科の授業を補助する。教諭と共に、授業の内容を理解できない生徒の指導や、実験の準備などをするのが役割だ。
 東京出身で東京理科大卒。父母の出身地の仙台市の中学校で2年間講師をした後、1979年に東京都教委に採用され、中学の理科教諭として勤めた。2011年5月に応援派遣で山下中に赴任し、昨年3月まで教壇に立った。顧問として柔道部の指導にも当たった。
 赴任当時の校内は避難所で、多くの被災者が暮らす中で授業をした。津波で自宅が流され、教科書を失った生徒も多かった。「困難な生活の中でも、生徒は被災したと思えないぐらい明るかった。東京の子どもたちより人懐っこく接してくれた」と振り返る。
 出会った多くの笑顔が離任後も忘れられず、たびたび町を訪れた。「もう一度、山下中で教えたい」。思いが募り、退職を機に宮城県教委に支援員としての復帰を志願した。家族を東京に残し、角田市内の教職員宿舎から山下中に通う。
 柔道部の練習も応援する。2年の山田直哉君(13)は、山下小6年の時に山下中の柔道場で手ほどきを受けた。「指導する時の話が面白く、頭にも入る。戻ってきてくれてうれしい」と喜ぶ。
 今野さんの任期は来年3月末まで。「将来、復興を担う生徒を教える仕事にやりがいを感じる。『長年の教師生活はこの1年のためにあった』と思えるぐらいうれしい」。念願をかなえて迎えた年度のスタートに胸を躍らせている。


[生徒指導支援員]宮城県教委が教職員や警察官のOBを小中学校に派遣し、児童、生徒の学習、生活指導などで教諭をサポートする。2013年度は小学校に26人、中学校に108人が赴任した。
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Posted by ビッグバン at 09:59│Comments(0)
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